スカイクロラ、インフル

 昨日は、スカイクロラをレンタル&鑑賞。ドッグファイトがあるので、映画館で見るべきだとは思っていたのだが、気づいたら公開が終了していた作品。原作は一冊も読んでいない。著者はもと国立大助教授の森博嗣。平和を尊ぶため戦争が必要悪として存在する時代。戦闘そのものが、請負会社によりアウトソーシングされ行われている。主人公はキルドレなる子供パイロット。戦争という目的のために生み出された、手段としてのキルドレ。記憶が長く維持できないゆえに、過去を振る帰ることなく、淡々と「日常」をこなせる存在。アイデンティティはおぼつかない。ただし、その存在「価値」に気づいたものとの出会いから、繰り返し再生産される「生」の無限ループから逸脱を試みる。とはいえ、主人公は淡々と事実を飲み込み、行動を起こしているようにみえる。秀作。やはり12.1インチモニターで見る作品ではない(笑)。この作品の押井語録はこちらから
 さて、先日書いた医科研の新型インフル公開セミナーでの討論会では座長を務めた、野本教授(確か、ポリオで有名)の手腕?で非常に興味深い内容になっていた。ひとつは「いまのうちに新型インフルエンザに罹ってしまったほうがいいのでは」という質問。岡部氏は、「古くからその議論はありますが医師の立場からそれはいえない」とのこと。新藤氏は「欧州でもかなり議論されたことですが」といいながら「公衆衛生学的観点から賛成できない」と強く否定していました。欧州では水疱瘡のときにはパーティーを開いて感染させる文化があるみたいです。基本的には感染は抑制はできるが、コントロールするのが難しいからなのでしょう。この点は僕もいろいろ考えていたのですが。ただし、「完全に健康な人だけ選らんで数日間隔離して感染させ、治るまで缶詰にしつづける」みたいに考えとく必要はありそうではないでしょうか?ワクチンがあればそれで、おおかたすむことなのでしょうが。他には「タミフル投与した場合に免疫はつくのか(つくようです)」など、普通の講演会ではありえない深い質問のおかげで大変楽しめました。