自分らを科学的に検証できない科学者(と周辺の人々)?

 26日には事業仕分けを傍聴にいったので感想を。仕分け対象は理研、学振、物材研、JSTJAXANEDO蓮舫のいないグループだったので、傍聴人は幾分少ない。開始直後に入室できたので、一通り聞けた。前回のスパコンに象徴されたような、強烈なやりとりは少なく、仕分け側からは「科学技術の重要さはわかっているのですが」という言葉が何度も聞こえてきた。これは前回の科学タタキへの批判を踏まえてのことだろう。一方、仕分けれる独法の回答を一日中聞いていると辟易するどころか、暗澹たる気持ちになってきた。ポイントは1.天下りした理事長、理事などの年収を浮き彫りにする。また、天下った他の法人などとの不透明にみえる取引を露わにする。2.顕著な成功事例をアピールするのではなく、費用対効果が、効果測定が法人全体として行われているか。3.情報の透明化を行って内々だけの論理で税金を使っていないか。といったところ。ここでは前半の要約をちょっとだけピックアップしてみよう。ラフなんで正確性は保証しません。
vs理研文科省
・ゴング開始とともに理研における研究体制が書かれた概要資料に「戦略、先端、基盤などレトロリックが多くて、まるで科学的ではない」と強烈なジャブをみまわれる。
・一見、研究の重複がみられる分野での整理統合を促す刷新会議側に対し、使っている言葉は同じでも内容は違うと強行に否定する文科省。「重なっていないといえるのは、全ての研究を把握しているからですよね。では全体を誰が把握しているのか」との問いに苦し紛れに、「内閣府の総合学術会議」と答える(個々の研究をみてはいないだろうよ。責任転換)。
・最終的な大臣の怒り「全ての質問にいいわけから入る。問題改善の話が出てこない。この発想だからガバナンスを任せられない」。
vs物材研
・独立を守ろうとするが終始劣勢に立たされる。「他の組織と統合した場合に不都合はあるのか」「例えば、理研と一緒のなると何が失われるのか」との問いに「材料の研究は他と一緒になると埋没する」(なぜ?)、「うちは材料、理研は物質」(あれ、物材研という名前ですよね)「理事長の強力な牽引力があってこそ」などと答えを繰り出す。統合の決定に最終的には理研と一緒というわけではないですよとフォローまでもらう。
vs学振
科研費に採択する研究を選ぶために支払われる謝金と研究費に対して「僕らは日当くらいはもらってますが、休んだ仕事の補填はされてませんよ」と評価者。ちなみに「最近の研究動向を調査してもらう必要があるので、研究費という名目で払っている」そうです。それは使った費用だけ経費として申請してもらえばいいだろうよ思いますが。

とりあえず、まずはここまで。