暗室

 久々の一日オフ。部屋の掃除やら片づけをして市立図書館に向かう。が閉館日。唖然。しょうがないので、近くを散策すると古本屋とブックオフもどきがあったので物色する。ブックオフもどきが単行本100円セールをしていた。ラッキィ。数冊購入。いつ読むのかは謎。帰ってからその中の一冊、小林紀晴「暗室」を読む。
 小林紀晴の本は5,6年前に一度読んだことがあった。自伝本だったような気がするがよくは覚えていない。写真家なのだがよく文章を書いている気がする。出世作はアジアン・ジャパニーズ。写真もけっこう好きだ。
 暗室を経験している身としては酢酸の匂いとか全暗とか懐かしく思う。匂いの記憶がよみがえってくると同時に神経回路の素晴らしさを感じた。読書量が少なく、名作、必読書なるものをほとんど読んでいないので評価はできないが感想は、けっこうおもしろい短編集。経験に基づくところが多いとは思うのだが、それでも「えっ」と予想外の展開がある。もちろん、話しのはじめでネタバレしているところもあるのだが。
 暗室未経験者にとってはどうなのだろうか。文学に限らず未経験の話しを読ませることはよくある。暗室は想像可能範囲かもしれない。想像可能範囲から出てしまうと読まないから。たぶん理解できないから。そう考えると想像力って自分に限界を見せ付けるものだったりするかも。へこむ。実体験にも限界があるし。以上、「暗室」を読んで考えたこと。ここで思考停止。