「リスク社会と報道」セミナー

 内容は「人口シミュレーションの最新状況」、「農業のグローバリゼーションとBSE問題」。少子化出生率の低下は決して急に生じた問題ではない。既に80年代には出生率は2.0を下回っている。人口の増加減少することが良いのか、維持することが良いのかはとりあえず置いとくが、現在のメディアが騒いでいるのを白々しく感じる。理由は、講師の鬼頭先生が言っていたように数年のスパンで解決する問題ではない難しさがあるが、人口増加(日本のみ)を本当に望む必要があるならメディアがもっと早く煽るべきだったと思うからだ。その点は触れずに今更、国を責めるのは違う気がする。たぶん、メディアで煽ることが社会に最も影響を及ぼせるはずで、その力が正しく(もちろん、これがすごく難しいのだが)行使できれば局面はいろいろ変わっていたはずだ。一歩間違えば全体主義になってしまうのだろうが。歴史的にメディアが人口問題にどう提言してきたかを聞いていて、メディアのおかしなところばかり気になっていた。ニーチェを例にするまでもなく、やっぱり歴史的に見るのはかなり重要です。
 後半では北林先生が現在でも感染経路が特定されていないBSEの危険性を糸口に、過度にグローバルに商業主義化した酪農、畜産業が持続不可能な社会の形成に拍車をかけていることを批判的に紹介してくださった。批判の矛先はもちろん?メディアで「危険性」を煽るのは好きだが問題解決の何も示さないことがその理由のひとつだった。メディアがあまり取り上げない問題を自ら発信をされている。農業情報研究所のHPはこちら
結果的に二項対立になることでも、改善することや切実に考えることはまだまだたくさんある。