国民投票法(続き)

 明日にも成立しそうなので、来週書くといっていたもの雑になってしまったが提示。JCの終了課題で住民投票を取材したときの経験を絡めてみる。4月8日の日記で以下の点で国民投票法について疑問をあげた。

1.情報の質・量の公平性は成り立つのか。

2.情報の公開性は。(web-siteにありますとかはちょっと勘弁して欲しいかも。それと嫌なものは隠したがるのが常だ)

3.議論できる時間・場所がどれだけ確保できるか。(法案は60-180日以内なんだけど)

4.投票は憲法改正に○か×かになり、議論も結果的に二分されるんだけれど中立性をどこで担保するか(メディアかなぁ?)

5.有効投票?総投票数?有権者?の過半数

1.情報の質・量の公平性は成り立つのか。
  1996年、新潟県巻町で行われた原発建設をめぐる住民投票ではPR、広告な どについ てほとんど取り決めは行われなかった。しかし、国、東北電力などの原発推進派の財力 に比べれば、町民グループは微々たるものでその差は歴 然でだった。一方はタレント やTVCM、カラー刷りのチラシなどでPRをしたが もう一方は単色刷りのチラシがほとん どだった。
  質は議論するにたりうる内容だったのか、という観点からみてみると両方のグループ に疑問が残った。それとは別に住民投票への参加のみを呼びかけた町民グループもあっ たが情報の質を問うようなことはほとんど無かった。(法案では賛成、反対で情報量の 公平さは保つもよう。質は両陣営に期待するしかない。)
2.情報の公開性は。(web-siteにありますとかはちょっと勘弁して欲しいかも。それと嫌なものは隠したがるのが常だ)
  最近の臨界事故隠しをみればあきらかだろう。
3.議論できる時間・場所がどれだけ確保できるか。(法案は60-180日以内なんだけど)
  巻町で住民投票に結びつくまでに約25年かかっている。住民投票がベストな方法かど うかの議論も必要だが、少なくとも町民が決める意志がはぐくまれるには時間が必要だ ったことは忘れるべきではないと思う。
4.投票は憲法改正に○か×かになり、議論も結果的に二分されるんだけれど中立性をどこで担保するか(メディアかなぁ?)
  巻町では賛成・反対派が二分した。真っ二つにわかれ、議論があったとは言い難い。 そんな状況を補強する必要があったと思う。原発当時の巻町では政治的に議会と首長が 分かれていたのでまだよかったが、議会と首長が一体となった二度目の住民投票ではさ はど議論されたように思えなかった。これを今の議会と政府にあてはめるとどういう構 図がみえてくるだろうか。
  中立性と書いたが、情報のバリエイションが多くのなることが必要だったのではない か。それは、当事者ではなくマスメディアが担えるのではないでしょうか。ただ、スキ ャンダラスなこと(巻町では買収すれすれのことが起こった)にばかり注視するのでは なく、必要な情報を提示してほしい。
5.有効投票?総投票数?有権者?の過半数
   総選挙程度の投票率だったら勘弁してほしい。巻町では原発のときは投票率88%でした。

と、こんなところ。それにしても、いきなり法案成立ですか。こんなんでいいのか。そんなに急がなくても良いでしょうに。マスメディアでもそれなりに取り上げられていたが、ことの重要性をついたものがあっただろうか。丸激は大変勉強になりました。
 「問い続けること」から逃げないでいたいものです。