4月22日は選挙の日

 ――土佐の東の玄関口、光輝く自然の宝庫。

 徳島県に隣接する高知県東洋町のホームページに書かれてる文言だ。人口が4千人にも満たない高知県東洋町の特産品は柑橘系らしく、ポンカン?をかぶったキャラクターが町の紹介をかってでている。
 平成19年1月25日、東洋町の田嶋裕起町長は高レベル放射性廃棄物最終処分施設の候補予定地選定のための文献調査に応募することを発表した。
東洋町が核廃施設に応募 田嶋町長が決断 混乱必至高知新聞
 東洋町が高レベル放射性廃棄物最終処分施設の応募に動き出したことがあきらからになったのは2006年9月。当時はいくつかの自治体が誘致に向けて動いていた。
最終処分誘致検討の自治体次々と東奥日報
しかし、最終的に応募にふみきったのは東洋町(2007年4月21日時点で)だけだった。

 原子力発電環境整備機構(NUMO)が公募しているのは原子力発電所からでた使用済み核燃料を再利用処理したときに残る強い放射性を帯びた廃棄物を300m以下に埋めるための施設で、高レベル放射性廃棄物を50年ほど冷却してから行われる。高レベル放射性廃棄物の定義は明確ではないが再処理後の廃棄物をそう定義している日本と、使用済み燃料のことを高レベル放射性廃棄物と呼んでいるアメリカ、スウェーデンなどがある

 この発表には反対派町民だけでなく高知県徳島県、周辺市町村から批判の声が相次いだ。東洋町議会は2007年2月の臨時議会で辞職勧告議決を行い、可決。3月議会でも再度辞職議決を可決した。また、同じ3月議会で「放射性廃棄物持ち込み拒否条例」と「町住民投票条例」の議決を行ったが結局再議に付され否決された。
 町政が大きく動いたのは2007年4月5日、田嶋町長が辞職することを議会で表明した。
東洋町長辞意、再出馬へ 核廃施設の民意問う高知新聞
 田嶋町長はリコール運動が始まろうとしたときに高レベル放射性廃棄物最終処分施設の応募を争点とした出直し町長選挙にうって出た。

両候補者の意見はこちら。
争点を聞く:東洋町長選に向け 放射性廃棄物最終処分場/高知毎日新聞
東洋町長選/候補者に聞く朝日新聞
東洋町長選候補者に問う高知新聞

 財政に見合うような町にしていくか、より豊かな暮らしを得るために高レベル放射性廃棄物最終処分施設を受け入れるか。町長の判断を独断とみるか、英断とみるかは陣営によって異なるだろうが、選択権を持てることは非常によいことだと思う。
 安全性の面からいえば、最終処分施設は臨界にいたることがないため、原子力発電所よりは安全なのだろう。100%の安全は神話でしかない。しかし、僕らの生活はそんな原子力発電に依存している。そして、それはお金でしか引きかえられるものがないと思う。来週あたりには、4月22日の結果ともう少し自分の考えをまとめられたらと思う(ほんとうは今日までと思っていたのですが、間に合いませんでした。すみません)。
 沢山氏が当選したら交付金に頼らない、ある種の発展をやめるようなモデルとなるような東洋町をみせてほしい。