夏巡業

 小刻みなステップ。左足でグラウンダーのボールを通そうとする力士。相撲に特別な思い入れはないけれどサッカーをしていたそのの機敏さに驚いた。あんな動きができる力士がいたか!?さすが最強の格闘技相撲だ。けれども治療休養中にもかかわらずサッカーに参加していた横綱には厳しい処分が発表された。
 朝青龍、2場所出場停止の処分 日本相撲協会asahi.com
厳しい処分が下され、本人はかなりショック受けたようだ。
 謹慎の朝青龍、ショック抜けず…主治医が説明yomiuri online
もしや処分が効果的だったのか!?夏巡業の売り上げはまずまずのようだ.
夏巡業始まる 朝青龍不在もチケットまずまずの売れ行き(sankei web)

 実は夏巡業を見に行ったことがある(笑)。時代は千代の富士引退後を引っ張る若貴が外国人・曙と対決し人気を博していた頃。当時はまだ彼らは横綱ではなく、幕内だった。興奮してカメラを抱えて走り回った熱い夏の日だった。その巡業は小学校のグラウンドで行われた。風化目前だった土俵は綺麗に成形され、清めららていた。ぶつかり合うたびに聞こえてくる低い声ともうなり声とも判別もつかない音。日陰干しされるだけのまわしに(洗えない)目を白黒させ、貴花田(のちの二代目貴乃花)をみて綺麗だと子供ながらに思い、曙や小錦の大きさに驚き、山盛りの塩をまく水戸泉に大きな拍手を送っていた。かなり興奮していた熱い夏の日だった。まるで模範的な田舎っ子のようだった自分を懐かし(恥ずかしく)思う。

 いままでの報道を見る限り朝青龍には多くの問題があったのだろう。相撲協会の厳しい処分に納得している人も多いようだ。けれどそこに少しの違和感を抱く。なぜなら絶対的な服従関係がある。異議申し立ても話せる空気感はない。処分にも圧力的なものしかない。そこに相撲界のきな臭さを感じる。黒いうわさもあとを立たないのはなぜだろうか。溜飲が下がった理由を改めて思い直す必要もあるだろう。
 夏巡業を経験した身から言わせてもらえば、子供とひたすら相撲をとる。厳しいくらいに。そんな楽しさを合わせた厳然とした処分があってもよかったのではと思う。大人となったいまはこんな戦いを見たい誘惑にも駆られる。
 K1初参戦の戦闘竜が朝青龍にエール(nikkansports.com)