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 はじめて氷上を踊る浅田真央や中野由加里やイナバウナーをみたり、「20世紀の巨匠たち」写真展でアービング・ペンやヘルムート・ニュートンやユージンスミスをみたり、いろいろ。その感想は後日に記すとして、明日は光市の母子殺人事件の差し戻し判決がでる日。
 森達也さんは『死刑』で逡巡のすえ加害者を救いたいと記している。本村洋さんは、国家が個人を殺害する行為を最悪なものと考え、極刑を望んでいる自分と矛盾を包み隠さず表している。一定レベルの論理を超えた対話は心を揺さぶる。傍らに寄り添うファクターが死刑制度の存在を決定する。そして、社会は進んでいく。本村さんはさまざまな濁流にながされることなく、立ち続ける。

被害者遺族の本村洋さんは記者会見以外のメディア取材には差し戻し審以降、応じていない。
その理由についてはぼくがニュース23(4.14OA)でも述べさせてもらったことと関係をするのだが、おおきく分けて二つある。
死刑廃止を求める大弁護団が登場して、荒唐無稽ともいえる(少なくともぼくにはそう思える)手法で被告を弁護したことにより、死刑廃止弁護団対本村洋という構図が出来上がってしまい、あたかも死刑推進の代表のように扱われることを拒絶するため。
(ノンフィクションライター的日常 藤井誠二のブログより)