公共財として

 万能細胞を特集した『現代思想』について、少しずつ。もうちょっと読み込みたい最後の3氏を除くと、粥川さん→大津留直氏→林真理氏→栗原千絵子氏の順序で読むのが効果的だと思う。勝手な提案なんだけど。阿形氏をどこにする・・・。本当は頭にとも考えたんだけど、ピリッと気を引き締めて読んで欲しいから、却下した。そうすると、最後かな。あとは御自由にどうぞ。
 iPS細胞をめぐる問題は、実は新しいものではない。JCCastで粥川さんが強調していたように、何かを解決するような発見ではなかった。僕としては、再発見のベクトルが強調されて良かったと思っている。そんなことがわかる並べ方にしてみた。
 「万能」という言葉を開きながら、iPS細胞、ES細胞の積み残しを振返る粥川さん。その先を見据えているのは・・・それは読んでみてください(JCCastにヒント、答え!?があった)。次に、タイトルそのままで再生医療研究の現状と展望を知ってもらう。そして、林氏は、細胞の集まりを利用する、臓器移植とは異なり、モノとして扱われる細胞治療の主役たちにクローズアップする。HeLa細胞の歴史は、何度読んでも切なくなる。論文を読んでいると普通に出会う細胞なんだけど、どれだけの関係者が知っているのか。これは学生には必ず教えるべきではないか?といつも思う。しかも、その実験系に適した他の培養細胞があるはずなのに、利用する首を傾げたくなるような経験も一度や二度ではない。時間を短縮する意味合いが強い事は知っているが、それって、科学者としてもどうなんでしょ(幻想を抱きすぎ!?)。知的財産が絡み「モノ化」を続ける細胞からみえる社会とは。そこに、栗原氏が経済的見通しを加える。すると、共通項を見渡しやすく、展開してそれぞれの方が連動しやすくなると思うんですが。日本だけでなく、世界中に分布するバンクにある細胞と背景に潜む情報から生まれる利益の分配はいかに!?という感じで・・・。だめ?。まぁ、ためしにやってみてください。ぼくは、塚原氏のを再読します。