40年目の問題から

 米国で体外受精IVF)を使って生まれた八つ子の自宅が差し押さえられそうで(八つ子出産の女性、自宅差し押さえの恐れと CNN)、日本では受精卵を取り違え(喜び一転、中絶という苦渋の決断…香川の受精卵取り違え YOMIURI ONLINE)が起こりました。
 ヒトの体外受精に成功した報告が出てから、今年で40周年だそうです。科学雑誌『nature』からの情報です。「成功」とはいってもその受精卵から子どもが生まれてのではなく、初期ステージまで順調に発生した報告であり、世界ではじめてIVFの子どもが生まれるにはさらに10年を必要としました。今年はダーウィン生誕200年にもあたっています。
 IVFを経て生み出されるES細胞研究は、オバマの登場で米国での研究に対する規制がさっそく解除されそうで(米、ES細胞研究への連邦予算解禁へ 政策を転換 asahi.com)、また、ES細胞より注目を集めるiPS細胞は、拍動するほど機能的な心筋への分化が可能になり(Functional Cardiomyocytes Derived from Human Induced Pluripotent Stem Cells.)、さらにその様子がyoutubeで公開されました。さらに条件付きですが一つの遺伝子を発現させるだけで(いままでは3または4遺伝子だった)多分化能を持つことも可能になりました(Oct4-Induced Pluripotency in Adult Neural Stem Cells)。今はまさにそういう時代なのです。