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 勢いで引っ越しを計画してみたものの、ここにきて怖じ気づく。契約期限やら解約やら、急に下がった家賃や車のレンタル、足りない時間などを総合的に判断すると(もちろん、金銭的にも?)難しいのか?自分がこんなにも優柔不断だったのかとはじめて気づく。老いたのだろうか。
 担当者と話しながら、いくつかの賃貸を回ってみると管理会社(オーナー)が力を入れている物件は、築年数が経ていてもそれなりに整備されていることに気づく。築20年を超えていると、雲泥の差が生じている。
 調べ物をしていて写真家・作家の藤原新也が「オリンピックは風景を壊した」と語っていた記事に遭遇。確か『WiLL』の創刊号で写真評論家・飯沢耕太郎との対談だった。日本を最大瞬間風速的に「開墾」したのはその時代だとすると、のちに続く、高度経済成長やバブル、ここ数年の都心開発や外資系ホテルのオープンなどは「成長期」か?はたまた「収穫期」か?日差しが強く反射する真新しい建物と、くたびれたアパートやらマンションがモザイク状に林立している様は、規模は小さいにしても活発な新陳代謝を彷彿させる。だだし、新しい「風景」はそこには存在せず見えないままだ。「収穫期」なんて存在せず、成長と衰退をくりかえすだけの無尽蔵なエネルギーだけが、少し形をかえて循環し続けているようだ。