ブタ

 草磲つよし逮捕報道の終息を見届けから(!?)拡大した新型ブタインフルエンザは、彼の復帰と共に国内ではだいぶ落ち着いてきた(ようだ)。その毒性などからWHOはフェイズをこれ以上あげることもないようだけれど、中国でも集団感染が確認されはじめ、世界各地で感染者が「発見」され続けているので、確定感染者数や死亡者数は今後も増加する。メキシコのデータにもとづき推定された感染力は、過去にパンデミックを引き起こしたウィルスと同程度だという報告があった。ということはさらに貧しい国々ではその栄養状態から感染が増大すると考えると……。致死率は依然としてたかくはないが、今後どのように変化するのか。先日のJCcastの収録では新型ブタインフルエンザをテーマにしてもらって、いろいろ話したのだがこの問題は一筋縄ではいかないと再確認。そのうち公開されるので詳細は省きますが、武田さんが「先進国が水際対策などで新型ブタインフルエンザ感染を遅らせることで、貧しい国々への蔓延を遅らせることができるのでは」と話されていて、それに刺激され帰りに妄想がふくらむ。
 今回はアメリカを巻き込んだ感染だったために初期対応が迅速にできたのだと思う。とはいえ、メキシコから見てみると刻既に遅しで、4月末日までに新型インフルエンザウィルスによる推定死亡者が100人を超えて報道されていた。おそらく、先進国をまきこまなかったら「これほど」早く情報が行き渡らなかったと思うので、先進国にある程度の「数」をもって流入させる必要もあるかーとか肌寒い夜道をひとり考え歩いていた。まぁ、WHOなりが貧国をモニターして迅速に対応できればいいのですが、科学雑誌「science」によればメキシコでウィルスのサブタイプを検査できる場所が当時は一カ所で、その精度も悪かったようなので、貧国で早期に蔓延すればするほど、早期発見できる特権を持つ国が巻き込まれののは「必然」なのですかなぁ。世界が狭くなっているのはいいことなんだか、わるいことなんだか・・・。