研究に利用できるES細胞株が「激増」する。

 米国・NIHによるガイドラインの最終版が公開されました。NYタイムズによれば、助成対象のES細胞株は結果的に21から500を超える数にまで増加するもうよう。これまでは連邦政府の資金提供を受けてES細胞の研究を行うには、21種類のES細胞の中から選ばなくてなりませんでした。それは、ブッシュ前大統領が受精卵を壊して生み出されるES細胞の利用価値と生命倫理問題との狭間で決定した「既にあるES細胞はとがめないけれど、これからつくるES細胞には連邦のお金をだしません(もちろん、お財布が別ならOKだよ)。」という苦肉の!?策によるものでした。それがオバマ大統領によって更新されました。とはいえ、発表された新しいガイドラインによって示された基準によれば、必ずしも手放しで喜べるような状況になってはいません。生殖医療により余った卵のみ利用でき、金銭の介在を拒み、クローン胚の作製を必要とする研究は禁止され、インフォームドコンセントも「厳格」にコントロールされているために、一部の研究者からは批判もありました。
 新たに、浮上した問題は新しガイドラインが有効となる7月6日以前に、連邦政府の助成を受けずに厳密なインフォームドコンセントによって樹立されたES細胞たちの扱いでした。当然、新しいガイドラインに適合しないものも含まれていました。最終的にこのES細胞たちは助成対象になることで落ち着いたために、今回の激増となったようです。助成なしで500細胞株が樹立されていたことに驚きです。ちなみに日本では現在5株。